The Happening003 FU:RE:RU

どこでもいい、なにもない空間
―それを指してわたしは裸の舞台とよぼう。
一人の人間がこのなにもない空間を歩いて横切る、
もう一人の人間がそれを見つめる―
演劇行為が成り立つためには、これだけで足りるはずだ。

ピーターブルック「なにもない空間」


 本展示会、『ハプニング』シリーズは、従来のテーマに沿って企画される展示会とは異なり、プロパガンダヘアによって選抜されたカッティング・エッジな才能を一つの空間・時間に集めるという、ある種の即興的な展示会として展開しています。

本年度はFU:RE:RU(=五感を開く)という題目のもと、一見ランダムに集められた作品達による、この形式のない演劇的展示会は、アーティスト同士はもとより、観客をも巻き込んで、その感性と経験をぶつからせていきます。それは『即興演劇=プレイ』のようであり、その語源・本質に導かれるよう『ハプニング』という名の創造のためのプレイ・グラウンド=遊び場を創りあげます。

無意識・意識的にそれぞれのインスピレーションを、それぞれのユニークな方法で経験として集めることによって、一回性の『劇』を構築し、本当の意味での創造的な遊び=プレイを可能にしました。

世界にはまだ貧困に苦しむ人々、社会的に重圧に苦しむ人々がたくさんいます。表現媒体としてのアート、音楽、デザイン、美容はそれ自体で政治がするように直接世界を変えることはできませんが、人々のもつ価値観そのものを根本から変化させることはできます。大切なのは悲観的に物事をとらえるのではなく、未来をポジティブに考えること。

創造的であることが世界を変えます。

『裸の舞台に立つ』ということは、先入観を捨てて、真っさらな心で舞台に立つ事です。五感を開いて、多種・多様の感性・価値観に触れる事は、一人一人の心の奥底に深く眠っている、無意識の感覚を呼び起こします。

その先にあるのは、自由という名の即興演劇 — 人生そのものの『自由』です。

すべての人の心が自由であるということを認識するところから、ハプニングは始まります。

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